検証:ディスクシュレッダーの威力
~ データはほんとうに消えたのか? ~
- 以下の内容は「ディスクシュレッダー3」について書かれたものですが、 「ディスクシュレッダー7」についても、そのままあてはまります。
はじめに
パソコン市場の成熟にともない、これまで使っていた古いパソコンを廃棄、リサイクルするケースが増えています。 しかし、廃棄あるいは中古市場に出そうというパソコンのハードディスクには、 これまでその組織 (官公庁や企業など) で管理していた重要顧客の個人情報や社員のメールのログなど、 いろいろな機密データが多数記録されていたはずです。 それらの情報を残したまま、このパソコンが他人の手に渡ると、 その組織の機密データが第三者に漏洩する可能性があります。 したがって、パソコンを他人に渡す時には、機密データを含むファイルはすべて消しておかなければなりません。
しかし、ここでいくつかの落し穴があり、消したつもりなのに実は消えていないという最悪の状況に陥る可能性が少なくありません。まずは、この点について詳細を説明します。
データ漏洩の危険
中古パソコンからのデータ漏洩事件は、今までに何度となく報道されてきたにもかかわらず、 一向に減る気配がありません。 ウェブで検索すると、いくつものデータ漏洩事件がヒットします。 しかし、このような事件は、企業などの信用問題に関わることであり、表沙汰にならないことも多いでしょうから、 報道されているのはおそらく氷山の一角に過ぎません。実際には、その何倍や何十倍の事件が起こっているかもしれません。
なぜこのような事件が起こるのか、消したつもりのデータが消えていないのはなぜか。以下、ファイルやデータの削除に関する誤解を列挙して説明します。
誤解1:「ごみ箱」に入れると消える。
Windowsでファイルを消す場合、削除したいファイルを「ごみ箱」のアイコンまでドラッグします。あるいは、削除したいファイルを選択して「ファイル」メニューの「削除」を選んだり、 Deleteキーを押すといった方法もありますが、結果的にはどちらでも同じです。
ところが、このような操作をしても、削除したいファイルは「ごみ箱」の中にそのまま残っており、「ごみ箱」のアイコンをダブルクリックすれば削除したはずのファイルが出てきます。 つまり、書類を部屋の隅に置かれたごみ箱に捨てたのと同じで、ごみ箱をひっくり返せば、一旦捨てたものがまた出てくるというわけです。
これは極めて初歩的な誤解で、直感的にもある程度明らかことですから、ここで引っかかるような人はさすがに少ないでしょう。 ただ、誤解1の存在が、より本質的な誤解2に陥る可能性を高くしているようにも思います。ごみ箱に捨てたのみならず、 「ごみ箱を空にする」という操作までやったのだから、という意識が、元のデータは完全に消えたはずだという思い込みを誘発しやすいのではないでしょうか。
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